【生命保険見直し術】 ④医療保障を考えましょう!
次に医療保険について考えます。医療保険は各保険会社が力を入れている商品で、種類も多く内容が各社違うため、比較が難しい保険です。
ここでは、医療保険選択のポイントを参考に考えます。
ポイントその1! ≪1入院あたりの支払限度日数≫とは?
「生命保険を学ぶ」の「医療保険のコーナー」でも解説されていますが、この「支払限度日数」が医療保険を選ぶうえで、最も重要な項目の一つと考えます。
医療費抑制のために、入院日数は短縮化されています。それに伴って、以前の医療保険は120日型が一般的でしたが、最近の主流は60日型となっています。ただ60日型で、180日以内に同じ病気で再入院した場合、最初の入院日数に通算されてカウントされ給付金の支払いが打ち切られる可能性があります。(医療保険コーナー参照)
入院日数の短縮化により短期の入院リスクも大事ですが、長期の入院リスクの方が重要と考えます。短期の入院であれば、多少の貯蓄を取り崩すことにより家計を圧迫することはありませんが、長期に渡って入院した結果、所得が大幅に減少して、家計を大幅に圧迫して生活が困窮する可能性もあるのです。
医療保険のパンフレットを一括資料請求により取り寄せたAさんは、一般的な病気やけがの入院は60日でも、ガンをはじめとする生活習慣病の場合は、120日とか無制限で支払われる医療保険に絞りました。
ポイントその2!≪「保険期間」と「払込期間」≫とは?
医療保険の保険期間(保障が続く期間)にも一定期間の定期保険タイプと、一生涯を保障する終身保険タイプがあることを知ったAさんは、保険料の支払いも変わらない終身タイプを選ぶことにしました。
保険料の払込期間も終身払込タイプと60歳とか65歳で支払が完了する短期払込タイプがありますが、支払総額が概ね少なくなる短期払込タイプを選ぶことになりました。
短期の入院は家計に与える影響は少ないものの、せっかく医療保険に入っているのだから、2~3日の入院でも給付を受けたいもの。以前の医療保険は4日間の免責(最初の4日間は支払われない)があったり、8日以上入院しなければ出ないのが普通でしたが、今の医療保険は1泊二日または日帰り入院でも支払の対象になるものがほとんどですから、新たに加入する場合は、あまり気にする必要はありません。
ポイントその4!≪保障内容・特約など≫
基本(主契約)の保障内容例 | ||
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入院 |
疾病入院 | 病気での入院1日につき10,000円 1入院60日限度 通算1,000日 |
災害入院 | 災害での入院1日につき10,000円 1入院60日限度 通算1,000日 |
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手術 |
手術の種類により10・20・40万とか一律20万円とか ※特約になっている保険会社もある。 |
主なオプション(特約)の保障内容例 | |
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退院特約 |
○日以上の入院後の退院時に支払われるものが多い。 |
通院特約 |
退院後にその病気・怪我の治療で通院した場合に給付金が支払われる |
生活習慣病特約 |
ガン、糖尿病、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患などの5大生活習慣病 や腎疾患・肝疾患を加えた7大生活習慣病の場合に、入院給付金が |
がん特約 |
ガンで入院した場合に、入院給付金が上乗せされる。 |
女性疾病特約 |
女性特有の病気(乳がん・子宮がん・子宮筋腫・卵巣脳腫・流産など)で |
三大疾病特約 |
3大疾病(ガン・脳卒中・心筋梗塞)で所定の状態になったときに50万とか |
長期入院特約 |
主契約の1入院の支払限度日数を超えた場合に支払われる。 |
保険料免除特約 |
三大成人病・一定の要介護・一定の身体障害の場合などに保険料の払込 が免除となる。 |
先進医療特約 |
公的医療保険制度の対象外で、厚生労働大臣が認可する先進医療に |
特約の中でも、注目したいのは「先進医療特約」です。先進医療を実施している医療機関は限られますが、肺がんなどの治療に高い効果があると言われている重粒子線治療(重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法)などの実費負担部分が保障されます。先進医療(現在110種類ある)の技術料は健康保険の対象外となるので、数十万円から200万円~300万円もかかる治療もあります。先進医療の対象となる病気になった時に金銭面を気にせずに治療を受けたいと思う方は、現在この特約保険料は非常に安く(月100円程度)加入できますので、ご検討ください。
Aさんは、医療保険の条件として
1.終身保障
2.1入院の支払い限度日数は120日
3.生活習慣病は支払い限度日数が長いこと
4.できれば先進医療特約を付けることができること。